前置き(いらない)
なんの部活に入るべきだろうか、ロボコン?それとも電気通信?
めちゃ迷ってるのである。
うーん、兼部という選択肢も可能だが…
と言うことで今回はSHEPWMを解説しようと思う。SHEPWMは貴方が思っているより簡単なので、安心して欲しい。
キャリアベースのPWMの問題点
キャリアベースのPWMでは、交流電圧・交流電流をインバーターで得ると同時に、低次の高調波を除去している。
キャリア周波数が高いほど、低次の高調波は除去されやすい。
しかし、キャリア周波数が低いと、低次の高調波は除去されにくくなり、電動機の損失が増大する。
GTOインバーターなどで高速スイッチング特性が悪い素子を使っている場合、キャリア周波数を高くすることが困難なため、低次の高調波の成分が増大し、電動機の損失も増大してしまう。
SHEPWM(Selective Harmonic Elimination PWM・特定高調波除去PWM)とは
このような低周波スイッチング時における低次高調波問題を解決する方法として、交流電圧1周期分のパルス配置・パルス幅の組み合わせ次第で低次の高調波を除去できると言うことが示されている。
したがって、キャリア周波数が低い状態でも、パルス配置・パルス幅を変えれば、特定の希望する低次の高調波を除去することが可能である。
このことから、特定の高調波を除去する方法として、SHEPWM(Selective Harmonic Elimination PWM・特定高調波除去PWM)と言うPWM方式が考案されている。
第5,7次高調波を除去する例(特定高調波2波除去PWM)
IMにとって特に問題になる第5,7次高調波を除去するPWM波形の生成方法の紹介をする。スイッチング角度をα1,α2,α3とおく。このPWM波形をフーリエ展開すると、sin項は0となり、cos項の第n次高調波のフーリエ係数Cnは以下の式のようになる。
また、基本波成分Emは次式である。
(1)
第5,7次高調波を除去したいので、
(2)
となる。したがって(1)(2)より、
となり、この連立方程式を解けば、スイッチング角度α1,α2,α3を得ることができる。
また基本波振幅Emを変えれば、各αは変化することがわかる。
このように方程式を解けば、簡単にスイッチング角度を算出することが可能である。αの数を変えても、除去したい高調波を変えても、同様に算出することができる。
SHEPWMの問題点
特定の高調波を除去できるSHEPWMだが、もちろん悪い点もある。
SHEPWMは特定の高調波を除去できるが、それ以外の高調波はおろそかになり、除去された高調波以外は増大してしまう可能性がある。
SHEPWMはスイッチング角度をあらかじめ計算してROMなどに保管して読み出すという方式をとるが、各変調率ごとのデータを保存するため、ROM容量が大きくなってしまう。ある程度ROM容量を小さくする工夫はあるが、それでも多くの容量を占有してしまう。
また、スイッチング時間のデータは飛び飛びになってしまうため、基本波周波数が低周波の時の効率が低下してしまう。
まとめ
読者の皆さんは、SHEPWMをやるべきである。SHEPWMの変調波形の音は世界最高の芸術と言っても過言ではない。
おわり